企業法務
103 PV

これで安心!株式会社の特別決議の基本と重要ポイントをわかりやすく解説

1. はじめに

弁護士の勝部です。
株式会社を運営するうえで、株主総会では会社の重要な決定が行われます。その中でも、「特別決議」は特に大事な場合に必要な決議方式です。この特別決議が必要な場面やその理由について、わかりやすく説明します。

2. 特別決議とは?

特別決議は、株式会社の株主総会で会社の運営に関して大きな決定をする際に必要な決議です。たとえば、会社のルールを変える場合や会社の合併(他の会社と一つになること)など、会社の未来に大きく影響を与える決定にはこの特別決議が必要です。

特別決議を行うためには、株主総会に出席した株主のうち、議決権を持つ株主の3分の2以上が賛成しなければいけません。普通の決議(過半数の賛成でOK)よりも厳しい条件がついているのが特徴です。

3. どんなときに特別決議が必要?

特別決議が必要な場合をいくつか紹介します。

(1) 定款(会社のルール)の変更

会社の「定款」とは、会社を運営するための基本的なルールのことです。この定款を変えるときは、特別決議が必要です。定款は会社の目的や組織、運営に深く関わるため、みんなで慎重に決める必要があります。

(2) 資本金の減少

資本金は、会社の財産の元となるお金のことです。会社の資本金を減らすときは、会社の財政に大きな影響を与えるため、特別決議で慎重に決める必要があります。

(3) 合併や事業譲渡

他の会社と一緒になったり、会社の事業を別の会社に譲り渡す場合も、特別決議が必要です。こうした大きな決定は、会社の将来に関わるため、多くの株主の同意が求められます。

(4) 会社の解散

会社を閉じる、つまり解散する場合にも、特別決議が必要です。これは会社の終わりを決める重大な判断なので、全員でしっかり話し合い、納得して決める必要があります。

4. 特別決議の進め方

特別決議を行うためには、次の条件を満たす必要があります。

    株主総会に、議決権を持っている株主の過半数が出席していること。
    さらに、その出席している株主の3分の2以上が賛成すること。

このように、普通の決議よりも高いハードルが設けられています。

5. まとめ

株式会社の「特別決議」は、会社の大きな方向性を決めるときに必要な重要な決議です。定款の変更や会社の合併、資本金の減少、解散など、会社全体に大きな影響を与える決定は、特別決議で慎重に決めることが求められています。

株主全員の意見を尊重し、会社の未来を見据えた大切な話し合いが行われる場が特別決議なのです。


なお、記事の内容は投稿時の法令・制度に基づいており、投稿後に法改正等がなされている可能性があります。
記事をご参考にされる際は、必ずご自身の責任において最新情報をご確認下さい。

   

勝部 泰之 (Yasuyuki Katsube)

                     

弁護士(35487 / 東京弁護士会)。証券会社勤務時代に携わったシステム開発案件を中心に、決済、暗号資産、特許関連法務を多く手掛ける。また、エンジェル投資家としてスタートアップ企業の成長を多角的にサポートする活動も行う。 George Washington University Law School (LL.M.・知財専攻) 卒業(2016)。経済産業省 中小企業庁主催 適正取引講習会 「下請法(実践編)」講師(2024)

"企業法務"の人気記事はこちら

まだデータがありません。

TOPCOURTコミュニティに参加しませんか?
あなたのビジネスや法的なお悩みを気軽にお話ください。私たちがすぐにフォローアップいたします。
お問い合わせ